世界一周旅日記 【モロッコ編】

スペインのマドリッドからモロッコカサブランカまで空路で45分。
まず目指すはワルザザードという街。
道中、雨から雪に変わり、夜の冷え込みはかなり体にこたえたが、ホテルの部屋に用意してもらったタジン鍋を食べて
何とか元気を取り戻しました。


これが本場のタジン鍋。中には、牛肉、野菜が入っていて、じっくり柔らかくなるまでスパイスで煮込んでいきます。
最後までずっと温かくて寒い冬にぴったりです。
円錐形の蓋のおかげで、具材から出た水蒸気を逃がさず蒸した状態をキープできるので、水をほとんど使わなくても調理できるすぐれもの。
水が貴重なモロッコならではの発想から生まれた鍋ですね。
ロッコにはベルベル人という先住民がいて、タジン鍋ベルベル人が作った料理なんだ!と誇らしげに教えてくれました。

ワルザザード、ここは観光と映画の街。
アラビアのロレンス」「スパイゲーム」「グラディエーター」も、この街を舞台に撮られた作品です。
街並みは全てオレンジとピンクを混ぜたような色の建物で統一されています。
カスバという要塞が今でも残り、ホテルとして改装されて使われているものが多かったです。
リヤドという邸宅を改装して作られた素敵なゲストハウスもあり、インテリアも凝っていて人気が高い。
静かで美しい街だ。
ロッコという国は、食文化も建築物もフランスの影響を受けていて、イスラム文化とうまく融合させていると感じた。


ここは、世界遺産に登録されているカスバ。「グラディエーター」の舞台にもなった場所。


宿泊先としても利用できるカスバ。

翌日、ワルザザードから、車で所要10時間という気が遠くなりそうなサハラ砂漠へ向かう。
砂漠まであと4時間くらいのところで、異変が・・・。

安全運転のガイドさんが、まさかの事故に遭遇。
人生どこで何が起こるかわかりません。
対向車線から飛び出してきたバイクと正面衝突。バイクに乗っていた少年は私たちの目の前で放りだされて一瞬視界から消えました。
全てがスローモーションのようでした。
もしや、車の下!!?と次の瞬間嫌な予感がしましたが、斜め前方にうずくまって倒れている少年の姿を確認することができ、最悪の状態は免れたと思いました。

少年はすぐ救急車で運ばれ、追って現場検証のため警察が到着。
民衆と警察に囲まれる中、私たちは車内で待機。ガイドさんは、急にパンをかじり始め、動揺が隠し切れない様子。
一生懸命に状況を説明していたけど、目撃者がいなかったので、車の方が不利な立場に立たされているようでした。
「僕の無実を証明できるのは君たちだけだから」と言われ、事情徴収のため警察署に同行することになりました。
数時間後、晴れて無実を証明でき、解放されて、ガイドさんと3人で再び砂漠へ目指すことに。

予定が大幅に遅れていましたが、旅には色々つきものだし、少年が命に別状がないことがわかり、それだけでハッピーな気分。ガイドさんとの絆も深まり、目指すはサハラ砂漠

砂漠の入口メルズーガに到着したのは夜の8時過ぎだった。
予定では、夕方らくだに乗ってオアシスの中のテントに行くとなっていました。
明かりもない真っ暗な中に車が止まり、その先にはらくだ2頭とらくだ使いの青年がいました。
予定通りらくだに乗れる!

荷物はラクダに負担になるということで、車に置いていくことになり、身一つで向かうことになりました。
必要なものは案外少ないものです。
この頃には身一つと言われても動じなくなっていました。

生憎のお天気でしたが、音一つない砂漠の中を、1時間ほどらくだに乗り、キャンプ場のあるオアシスに到着。
エジプトの砂漠と違って、ここは常設のテントが張られていて、暴風雨も避けられるようになっていてホッとしました。
その夜は、サハラでは珍しく大雨が降りました。


翌日の早朝。


砂漠の中に突如現れるオアシス。ここにキャンプ場があります。

ロッコの砂漠は、砂漠の入口にホテルがあり、キャンプ場のテントかホテルかツアー客が選べるので、
テント生活が厳しいという人でも安心して行けます!
でも、砂漠を思う存分味わうのは、やはりテントがお勧めです(^^)。

砂漠を出て、ワルザザードでゆっくり過ごしてから、最後の場所、マラケシュに行きました。
途中、雪のアトラス山脈を越えて、モロッコは表情が豊かな国で移動中も景色がどんどん変わるので、長時間ドライブも飽きません。

マラケシュの街といえば、市場!!
ここにきたらまず市場。

たまたま最初に寄った場所が、自然療法のお店ということで、目が輝いてしまい、お店の人に質問攻撃。
ハーブ、スパイス、精油、植物油が積んであり、どこから見ていいのかわからないくらいです。
ここで働きたいとい思ったくらい、置いてある一つ一つが興味深くて、使ってみたいと思いました。
ロッコには、イブン・シーナの『医学大全(カノン)』の教えをいまだに継承して行っている人が多いと伺い、
店内にも『医学大全』が置いてありました。
学校も多く、世界中から学びにやってくるとのことでした。
このように、モロッコで自然療法が発達したのも、医療費が高くて庶民は薬が買えないという事情がありました。

目についたのがアルガンオイル
効能を語りあって、やっぱり素晴らしいのだと実感しました。
その場で肩のマッサージをしてもらい、体感などを確かめました。
そして、スパイスの使い方で印象的だったのは、ブラッククミンで鼻の粘膜を掃除するという方法。
砂漠帰りだったので、砂で鼻の通りがよくなかったのですが、ブラッククミンを吸引したらクリアになりました。
知らないことだらけで、本当に勉強になりました。


カラフルな陳列にも心奪われました。

とにかく活気のある市場。
屋台も大繁盛。

右側はオリーブ売り場。すごい量です!!


日本の1/3の値段で買えるバブーシュ。どれも革職人さんの手作り。本当に欲しいものがたくさん!
でも、旅が続いて荷物が増やせないので、泣く泣く買い物は断念(><)。。
今度来たら、絶対買います!


自然療法のお店で買ったスパイスでモロッコを思い出してタジン鍋を再現してみました♪

ロッコはとても魅力的な国でした。食事も日本人の口に合います。
それから、モロッコのオレンジジュースは、どこでも絞りたてが飲めたのが印象的でした。
またゆっくり行きたいと思いました。

次に目指すは、南米ペルーです!