南相馬に行ってきました 【2013年3月便】

3月9日〜10日に、南相馬に行ってきました。
翌日の11日が、震災から2周年という節目の日だったので、テレビや新聞ではたくさんの特集が組まれ、報道され、紙面で見ることができました。
たくさんの方に、復興の過程と現状を知ってもらい、また、当時のことを思い出してもらうために、とても有意義なことです。
でも、本当は忘れてはいけない。
今も、たくさんの方が先の見えない不安と闘っています。

私たちは、いつもと変わりなく活動しました。
幸い、私自身も、活動に携わるようになってから、現地の方のことが常に気になり、忘れることがなくなりました。
とても有難いことです。

今月は、先月に引き続き足湯をやりました。クラフトはバスボム作り。
そして、現地の方の紙芝居と語り場。

テーマは、『家族のような温かな時間と笑顔』です。
早朝、逗子6時発に久しぶりに間に合って、幸先のよいスタートがきれました。!
今回、ボランティアドライバーの幹さんが復帰されて、久しぶりの現地スタッフ入れて18名の参加でした。
10代〜70代までの元気な老若男女が集まりました。
その一人に、アメリカの留学先で震災を知り、ホストファミリーと一緒に、募金活動をして160万円を集めた高校を卒業したばかりの青年が参加していました。集めた募金がロータリークラブから、偶然にも南相馬に届られて、病院の介護車などに使われているということがわかり、彼は、自分の目でその街を見たいとうことで、その思いから参加を決意していました。


拡声器登場!
強風の中、猛烈に飛び交う花粉に負けず、いざ出発!

私の足湯の先生、弘美さんも参加されて、IFAの宮城でのボランティアメンバー南相馬に3人そろいました。
また一緒に活動できる喜びでいっぱいでした。


7時間かけて到着。仮設の店舗で今日も元気に営業中。
まずは、腹ごしらえ。


生姜焼きをいただきました。ボリューム満点。
とっても美味しいので、ここでいただくのが楽しみなのです。
仮設に移って1周年。おめでとうございます!元気をいただきました。

初日は、紙芝居からスタート。
先生は、南相馬の方で、取り上げた題材は、もちろんこの地に昔から伝わる物語。
先生の優しい声と方言が何ともいえないいい味わいを出しています。
みな、食い入るように眺めていました。
驚いたのは、途中、物語に挟んで先生が小唄を歌い始めた時、会場のあちこちから歌声が聞こえてきました。
みなさん、歌詞とリズムをしっかり覚えていて、楽しそうに歌ってる!
私たちスタッフが驚かされました。


会場が一つになった、温かい空気を感じた時間でした。
深い郷土愛を感じます。


今月の足湯の様子。みんなリラックスした表情で、お話も弾みます。
手作りボディークリームで、みなさんの足がすべすべになりました。
「今回は、ボディクリームじゃないの?」と、ボディクリーム作りの復活を強く望む声も出ました。

前回作ったボディクリームのおかげで、足の乾燥がなくなったというご報告もありました。
足湯でよく眠れるようになったなど、効果を実感していただけることは、非常に嬉しいです。33名のうち、12名がリピーターの方でした。

今回の足湯は、前回の参加者から、たくさんの案が出て、よりよい形になりました。
バスケットを使ってお湯の使用量を減らしたり、使ったゴミ袋は各自お持ち帰りで使ってもらったり、お湯が冷えないように、シートを持参したり工夫しました。効果抜群でした。環境に配慮することも必要だと学びました。
本当に主体的な方の集まりで、いつも刺激を受けます。

マッサージを有資格者だけでやることに、長い間、このままでいいのか悩みました。
薬事法や安全面を考慮して、途中からそうしたのですが、参加メンバーにやることの差ができることに疑問があったので、皆ができる形をさがして乾燥対策ということで、ひざ下からクリームを塗って差し上げることにしました。
お一人の足湯でも、肩もみ、足のクリーム塗りを分業することで、自分のできそうなところからやってもらえるので、
気兼ねなく取り組めたように思えます。参加者一人一人の達成感も、活動へのリピートにつながるので、大切です。

出発前に作成を仲間に協力してもらったバスボムも大好評でした。
みんな、ありがとう!

子供たちも大喜び。バスボムの天然色素で足湯の色が変わるので、色を混ぜて新しい色を作ってみたり、
理科の実験をしているようで楽しそうでした。

笑いがあちこちで起きて、半年前には想像できなかった光景を見ることができました。

初日の夜は、ユッサで温泉につかって、夕飯を済ませてから初日を終えての感想と反省会。
そして、現地の方から、たくさんの野菜の差し入れがあり、翌朝の朝ごはんにシチューを作ろうということになり、21時頃からよっちゃんの花嫁修業が始まりました。

野菜の切り方、料理の心得など、厳しくも愛のある指導で、みな必死についていきました(笑)。
楽しそうに、よっちゃんは、若い女性陣をいじっていました。

2日目は、まずは元気の出る朝ごはんから!

みんなの手作り料理とかずこさんからの差し入れもありました。


納豆キムチは外せません。元気になる朝食でした。


2日目のお昼の大量のおにぎり作り。昨晩の修業もあって、スムース!
とにかく、よっちゃんはすごいのです。70歳なのですが、今までの70歳の方のイメージにはない、エネルギッシュな方です。
われらの偉大な母です。


スタッフの男性の方のアイデアで、足湯にお抹茶を!とうことで、お抹茶道具一式が準備されました。
たまたま参加されたスタッフのさやかさんが、10年お茶を習っていて、皆さんに美味しいお抹茶をふるまってくださいました。
本当に、みんな多才!


バスボム作りコーナーは、子供たちも参加して上手に作っていました。

今回、もう一つ、素晴らしい出来事がありました。
隣の仮設住宅に越してきて2週間の女性の方が、足湯中に、現地の方に手作りのアクリルタワシを習い、それ以来ずっと作っているという話をしてくれました。
京都の社会協議福祉会からの依頼で、10000個作るというプロジェクトにも参加されたようです。
そこで得た700円が自分の財産と嬉しそうにお話されました。

実は、その先生が、たまたまぼちぼちの現地スタッフの方の奥様で、その場にいらしたのです。
お二人は再会して、奥さまのご好意で、その場で編み物教室が開催されたのです。

再会して、熱く語り合うお二人。


自然と、周りには人が集まり、かずこさんの編み物教室は大盛況。


いただいた作品。自宅でも愛用しています♪
洗剤いらずで、傷つけずにいろいろなものがよく落ちます!重宝しています。

紙芝居や編み物教室のように、地元の方が、一緒に何かをして、コミュニティに参加していく形が理想です。
そうすることで、交流が生まれ、私たちが帰った後も、その輪は続きます。集まりたいときに会える。
自立につながる大きなステップではないでしょうか。

そして、作品提供で得た700円は、頑張った対価。もったいなくて使えないと言っていました。金額の大小ではないのです。
何もすることがないという声をよく耳にしてきたので、自発的に取り組み、小さくても、リターンがあるような、このような経済面での自立につながる活動は、周りの方も勇気づけます。

ちょうど、タイの研修中に、現地の日本人が作成したリーフ型のエコタワシが、説明書きと共にきれいにパッケージに入って売られていたので、購入しました。
かずこさんにお渡しし、「いつかこういう形で売って、作ってくれた方に売上をお渡ししたいね。」とお話しました。

そして、今回は、最後にいつも来てくれる現地の子供たちからのサプライズプレゼントがありました。
4人がコントをやったり、歌ってくらたり、バック転をしてくれて、私たちを喜ばせてくれました。
感激して、みんな拍手喝采


ありがとう。いつも、君たちの笑顔で元気をもらっているよ。
彼らなりに、何か思うことがあって、その気持ちを表現してくれたのだと思いました。

この気持ちをずっと持って、10年後、20年後、困っている人がいたら助けてあげられるような、優しい心を持った大人になってほしいなと思いました。

今月も、充実した2日間となりました。
幹さん、長時間の運転をありがとうございました。

来月のぼちぼちいこカーの活動は、お休みになります。
次回は、5月です!